高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、外傷等により脳の重要な機能をつかさどる組織が損傷したことで、脳の高次機能に後遺障害が残存している症状のことをいいます。
症状の程度や種類は様々ですが、症状の種類としては、記憶力の低下、感情コントロールが出来ない、意欲の低下といったものが代表的です。高次脳機能障害は外からも分かりにくい上に本人も気づかないことがあることなどから「隠れた障害」などと言われることもあります。

高次脳機能障害は、自賠責の後遺障害等級認定としてはその程度によって1級~9級までが認定され得ます。しかし、自賠責の等級認定では次のような要件が満たされない限り高次脳機能障害としての等級認定がされません。

  1. 初診時に頭部外傷の診断があること
  2. 頭部外傷後に重い意識障害が一定時間続いたか軽い意識障害が相当期間続くこと
  3. 神経心理学的検査で異常があること
  4. 画像所見として脳損傷が分かること

です。特に、等級認定の大きな壁となりやすいのが4.の画像所見です。脳損傷があればCTやMRIで確認できるわけではなく、PETやSPECTといった検査で脳の血流状態を把握してようやく判明する脳損傷もあれば、それらの検査ですら明らかにならない脳損傷も存在します(詳しくは、「軽度外傷性脳損傷(MTBI)」をご覧ください)。

また、高次脳機能障害は、患者と接してみなければ具体的な症状が分からないものです。

そのため、高次脳機能障害の等級認定においては、担当医が作成する「後遺障害診断書」及び「神経系統の障害に関する医学的所見」その他の検査結果、そして家族等の日常的に患者と接する方の「日常生活状況報告書」が重要になります。

 

 

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